便秘解消法の一つというか定番の方法として、食物繊維をたくさんとるという方法があります。食物繊維というのは、最近ではごく普通に使われる用語になってきましたが、化学的に言えば、ヒトが消化することのできない高分子化合物ということになります。ヒトが食べる食物の中には、水分やミネラル、さらにはビタミンといった成分を別にすれば、いわゆる三大栄養素と呼ばれる炭水化物、たんぱく質、それに脂肪が高分子化合物として含まれています。このうち、たんぱく質と脂肪に関しては、基本的にどのようなものであっても、それが食物中に含まれているようなものである限りは、ヒトは消化し分解することで吸収することができます。
たんぱく質とはアミノ酸が結合したものですが、どんな種類のアミノ酸がどんな順序で結合していても、ヒトの消化酵素は分解する力を持っていますし、脂肪に関しても同様です。ところが炭水化物に関しては若干様相が異なるのです。炭水化物とは単糖が数多く結合したものですが、ヒトの消化酵素が作用するのはそのうちの一部、そのうちの一部の結合様式をしたものだけなのです。ヒトはデンプンやショ糖などの炭水化物は分解できるのですが、それは数多くある炭水化物のうちのごく一部に過ぎません。自然界に存在し、食物となり得る炭水化物のうち、相当の部分が実はヒトは消化できないのです。それが食物繊維と呼ばれるものです。具体的にはデキストリンやグルコマンナン、ペクチンなどと呼ばれる化合物がそれに当たります。これらはヒトは消化できないのですが、その一方で腸においては非常に重要な役割を果たしていることが分かってきています。腸内細菌のバランスを整え、腸の蠕動運動を促します。さらには食物中の毒性成分と一緒になって排泄させる作用とか、腸内で消化された栄養素が腐敗するのを防止するなどの働きもあり、これらは全て便秘解消に役立つものです。つまり、食物繊維をたくさんとることが便秘解消法になるのです。